「イートン校について検索しても、わかりやすい情報がなかなか見つからない」とお困りの方は、ぜひ本記事をご覧ください。
年間の学費が最低でも800万円以上するという、イギリスの超名門スクール「イートン校」について徹底解説しています。
本記事から分かること
- イートン校の基本情報
- 学費と奨学金事情
- 日本でも受けられるプロジェクト
近年では日本人の生徒も増加しているイートン校とは、一体どのような学校なのでしょうか。
イートン校や英国式の教育に関心がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
イートン校ってどんなところ?
イートン校は、13歳から18歳までの男子を対象としたイギリスの超名門パブリックスクール。
全寮制の私立中等教育機関で、日本でいう中高一貫校に相当します。
10代の頃からリーダーになるための教育が施されており、実際に政治家や各界の実力者を育ててきた超進学校です。
※パブリックスクール:イギリス独特の「紳士の教育」を目的とする私立中等学校
イートン校の歴史
1440年にヘンリー6世によって創設されたイートン校は、70名の貧しい少年に学問を施すために誕生しました。
約600年の歴史の間に20名もの英国首相を輩出し、近年では英国王室からウィリアム王子やヘンリー王子らが通ったことでも有名です。
イートン校のカリキュラム
イートン校には勉強のみならず、課外活動や社会プログラムも充実しており、総合的な「紳士の養成所」としての役割を果たしています。
学習・学習外のカリキュラムについてそれぞれご紹介します。
学習カリキュラム
10の現代言語と古典言語を含む28科目の学習カリキュラムがあり、指導の際は2人の教師が各生徒を個別に監督し、手厚くサポートします。
授業では生徒にインスピレーションを与えることを重要視しており、試験の結果だけでなく、それまでの勉強を楽しみ・成長を楽しむ過程を大切にするのが特徴です。
サポートが必要な生徒や特別な教育ニーズを持つ生徒には専用の学習支援を実施。最大限の教育を提供しています。
共同プログラム
教育方針として、教室の外で「行動すること」で多くのことを学べるとも考えています。
特に音楽とスポーツを重視しており、イートン校では勉強だけができても評価されません。
それを表すように、音楽・美術・演劇・スポーツなど、サークルの数は70を超えます。
休暇中に実施される野外教育では、登山・マウンテンバイク・トレッキング・カヤックなどの体験を楽しみながら、生徒同士で指導する機会を与え、人格形成を目指しています。
イートン校の学費と奨学金制度
イートン校の学費は高額なことで有名です。
料金 | 日本円(2023年6月レート) | |
入学時登録料 | 400ポンド | 約73,000円 |
学費(1ターム) | 15,432ポンド | 約2,800,000円 |
学期は1年に3タームあり、1年間の学費は「15,432ポンド×3ターム=約8,400,000円」にものぼります。
※なお、上記は2023年〜2024年度の費用のため、見直される可能性があります。最新の情報は公式ホームページでご覧になるか、直接お問い合わせください。
一方で、奨学金や学費免除の仕組みも豊富です。
奨学金 | 対象 | 人数 | 概要 |
キングス奨学金 | 13歳以上 | 14名 | ・奨学生候補の試験を受け、選ばれると5年間サポートを受けられる。・最も優秀な候補者を選定するため、必須論文と任意論文の厳しい審査を経て決定される |
オーウェル賞 | ・16歳以上・公立校出身 | 12名 | ・学費が免除される・生活環境が理由で学業に取り組めなかった可能性を考慮し、学業基準でなく「可能性を持っているのに発揮できない子ども」を対象にしている |
音楽奨学金 | – | 8名 | ・週あたり最大135分の音楽レッスンの授業料が無料・経済的に必要な場合は、学費全額を補填する |
上記のような支援をはじめ、全生徒のうち20%以上の生徒が何らかの支援を受けており、学費を免除されている生徒も100人以上にのぼります。
イートン校の入学条件
イートン校には13〜18歳の男子のみ入学できます。
家庭の富裕度は一切考慮されないため、一般家庭出身でも問題ありません。
入学までの流れを説明すると、イートン校に限らず英国のパブリックスクールに入るためには、11歳で1次試験にあたるプレテストを受験しなくてはなりません。
この試験に合格した子どもだけが、2年後に2次試験にあたるコモンエントランス(私立校統一テスト)を受験できます。
よって、入学条件として明記されているわけではないものの、11歳の時点でイギリスの小学校に通っている必要があるといえます。
日本人が入学した例はありますが、ハードルは高いようです。
イートン校での生活スタイル
イートン校は全寮制で、生徒は約50人ごとに異なる「ハウス」に所属します。
多くのパブリックスクールがそうであるように、食事の時間・休憩時間・放課後まで、グループでの活動が主であり、生徒たちは時にけんかをしながらも仲を深めチームワークを学んでいきます。
また、イートン校は「黒の燕尾服にベスト」「白シャツにピンストライプ」という制服姿が有名ですが、成績や役割によって与えられる制服はさまざまです。
最高学年になると、成績優秀な「監督生」は金ボタンがついた制服を着用し、規則を破った生徒に対して罰則を課す権利が与えられます。
リーダーとしての責任感を育てる教育方針が、ここにも表れているようです。
イートン校卒業後の進路
2021/22年の卒業生は、
・ハーバード大学
・イェール大学
・スタンフォード大学
・コロンビア大学
・ブラウン大学
など、多くの名門大学へ進学しています。
日本でも受けられるオンライン講座「EtonX」とは
2015年に「EtonX」という14〜20歳向けのオンライン教育講座が開設されました。
次世代のリーダーに求められる「ソフトスキル」を養成するための講座です。
ソフトスキルとは、一般的な学校教育では教えられない、交渉・意思疎通・指導をうまく行なうための能力のこと。
イートン校は本来男子校ですが「EtonX」は性別を問わず受講できるうえ、オンラインのため日本でも受講できる点も大きなメリットです。
豊富な学習プログラム
「EtonX」には、11種類のスキルを学ぶプログラムが用意されています。
・Resilience(立ち直る力) ・Creative Problem Solving(創造的課題解決) ・Research Skills(リサーチスキル) ・Making an Impact (人の心を動かす) ・Verbal Communication (言語コミュニケーション) ・Public Speaking(パブリック・スピーキング) ・Interview Skills(面接スキル) ・Writing Skills(ライティング・スキル) ・CV Writing(CVライティング) ・Critical Thinking(多面的探求) ・Entrepreneurship(起業家精神) |
上記の学びたいスキルをもとに
・コミュニケーションコース ・リーダーシップコース ・就職準備 ・進学準備 |
の4種類のなかからコースを選んで受講します。
参加者からは、プログラムは「難しくても面白い」絶妙な仕組みで、英語だけでなく「伝える力」を身につけられると好評です。
学習方法
生徒は世界の60カ国以上から集まり、最大8名の「バーチャルクラスルーム」と呼ばれるオンライン教室で受講します。
講義はディスカッションやロールプレイを交えて進められ、学習者が能動的に「学びたい」と思えるような仕掛けが用意されているのが面白いところ。
英語に自信がない日本人でも参加しやすい、翻訳・解説付きのコースも存在します。
よくある質問
イートン校にまつわる質問にお答えします。
イギリスの名門スクールは?
イギリスには「ザ・ナイン」と呼ばれる名門パブリックスクールがあります。
- ウェストミンスター・スクール
- ウィンチェスター・カレッジ
- イートン校
- ハーロー校
- ラグビースクール
- マーチャント・テイラーズ・スクール
- セント・ポールズ・スクール
- シュルーズベリー校
- チャーターハウス・スクール
英国のみならず、さまざまな国の王室や世界中の富裕層が子供を通わせる、世界的な名門校として知られています。
イートン校に日本人は入学できる?
日本人でも入学可能です。合格までのプロセスをご紹介します。
10歳半 | 出願・学校見学 |
11歳 | ISEB試験→イートンテスト→面接→合格 |
13歳 | コモンエントランス英国私立学校の統一試験→正式に入学許可 |
参考:英エリート校に子供2人合格した家の教育|なぜ難関イートン校を突破できたか
入学できなくともイートン校の教育に触れたいという場合は、サマースクールに参加する方法があります。
下記の学校ではこれまでにイートン校のサマースクールに参加しています。
・千葉県:市川中学校・高等学校
・東京都:早稲田実業学校
・愛知県:海陽学園
・東京都:巣鴨中学校・高等学校
興味がある方は各サイトをご覧ください。
まとめ
約600年もの歴史があるイートン校ならではの「リーダーシップ教育」は、世界中から注目されています。
人種や国籍・貧富の差をも超えて、グローバルに活躍する人材を育て上げる教育方針に、ますます興味を持った方も多いのではないでしょうか。
日本の学校教育では学び得ないスキルを身につけられるイートン校について、より詳しく知りたい方は公式ホームページよりご覧ください。
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