年々増加するインターナショナルスクール。
今回は前回に引き続き、国際政治評論家の村田学さんをお招きして、都内の新興インターナショナルスクールについて、特徴、学費、設立経緯など、様々な角度から話していただきました。
本記事から分かること
- 新興インターナショナルスクールが設立されている都内のスポット
- 再開発エリアにインターナショナルスクールが設立される理由
- 各国の新興インターナショナルスクールの特徴
アメリカ生まれ、日本育ちの帰国子女。幼小中高大と日本の教育全てに馴染めず、インターナショナルスクールの学びに魅力を感じ、インターナショナルスクールタイムズを創刊し、その後、プリスクールの経営、幼小中の国際バカロレア認定校のインターナショナルスクールの共同オーナー。
国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビホンマでっかTV、プレジデントなど各メディアでインターナショナルスクールの展開やプリスクールの増加、海外名門校の開校計画などコメント及びインタビューが掲載されています。
インターナショナルスクールチャンネル編集員。情報源が少なく、編集員になったばかりなので、インターナショナルスクールのことはほとんど知らない。ゲストから生の情報を学び、インターナショナルスクール博士を目指す。
再開発エリアのインターナショナルスクール
市ノ川:
前回はインターナショナルスクールの業界マップ全国編ということでしたが、 今回は東京都内に絞って、村田さんに解説していただこうと思います。よろしくお願いします。
村田:
よろしくお願いします。国際教育評論家の村田学です。前回全国版を見たんですけれども、今回は東京版です。やはり東京の動きはダイナミックですね。
で、ダイナミックの1つに再開発というのがあります。渋谷とか、最近行かれたことありますか。
市ノ川:
そうですね。たまにお買い物とか、ご飯食べに行ったりとか。
村田:
渋谷駅ってどんどん再開発が進む中で、実はその中にもインターナショナルスクールができたりするんですね。あと最近で言うと、麻布に、麻布台ヒルズというのができました。
麻布エリア
村田:
高級ホテルがあったりだとか、1番上の階がレジデンスになっていたりします。
ここは日本で1番高いマンションですね。で、それも売れたということで、不動産業界では話題になりました。
市ノ川:
そうなんですね。高いっていうのは…
市ノ川:
おいしいこと言いましたね!高さは日本一高くて、値段ももちろん高いんです(笑)。
で、その麻布台ヒルズの横に移動してきたのが、ブリティッシュ・スクール・イン・東京。イギリス式のスクールです。
従来は渋谷にあったんですけれども、麻布台にできるということで、 幼・少がそこに移転しました。
これ、校舎がちょっとジブリ風なんです。土の感触と曲線が、ジブリの建物っぽいですね。都心部にあっても、自然環境を感じられるような、可愛らしい校舎が印象的です。
市ノ川:
そうですね。ファンタジーな感じがしますね。
村田:
ここに、いわゆる海外の企業の方や、高度外国人人材の方に住んでもらおうというのが、麻布台ヒルズの狙いです。
隣に小学校があると、お子さんの学校まですぐ歩いていけるので、言葉が通じない、海外に駐在している方にとって、とても安心感があります。
というわけで、今回の虎ノ門の再開発で、ブリティッシュ・スクール・イン・東京がこのように入っています。
建築がジブリ風というのも含めて、いろんな名建築家が、実は再開発に関わっていたんです。
渋谷エリア
村田:
じゃあ次のところを見てみましょう。次が渋谷の再開発なんですけれども、駅の東西南北に高いビルができているのは、ご存じでしょうか。
市ノ川:
あー、わかんないと思います。
村田:
渋谷駅を中心に、東西南北にまるで駅を囲むように、高層ビルなどができてるんですね。
で、その1つに今回、渋谷サクラステージというところがあります。 桜が丘って、地名にもなってますけど、丘になってますよね。
そこの地域に、東急不動産の建物を作るんですけど、ここは、レジデンス棟と、タワーマンションと、商業施設が一緒になってますね。
そこのサクラステージにできるのが、キャピタル東京インターナショナルスクールという、学校の幼稚部です。
山手線の中でも、渋谷はちょっと前、ビットバレーと呼ばれて、 IT関係の企業がたくさん集まってた地域なんですね。
恵比寿、代官山などもそうですが、 IT関係である意味、一発当てた方が住んでらっしゃるところです(笑)。
渋谷はすり鉢状になってるので、実はちょっと行くと、いい住宅街がたくさんあるんです。
なので、駅に降りてくる感じで、渋谷の再開発のところへ仕事をしに来たり、インターナショナルスクールに子供を預けたりということも増えていくんですね。
デベロッパーさんがよく言うのですが、インターナショナルスクールを誘致するのは、オフィス棟に外資系企業に入ってもらう目的があるということ。
子供を預かる学校があれば、海外の方も近くに住んでくれて、近くにオフィスも借りてくれるんじゃないかという、1石3鳥の狙いがあります。
麻布って言うと、土地の感覚で言うと、よく遊びに行かれますか?
市ノ川:
ちょっと良いレストランとか、お食事をしに行く時とかに。
村田:
麻布って大使館が近くにあったり、元々外国人の方が住んでる、または用事があって行くところです。
そこにブリティッシュ・スクール・イン・東京ができました。渋谷だとIT関係も含めて、新しく産業が生まれ変わっているところにキャピタル東京インターナショナルスクールができた。
そういうことになりますね。
港区芝のITエリア
村田:
そのIT関係の続きで行くと…日本でITが盛んな地域が昔からあるんです。
それは港区の芝です。芝って、実は駅から降りると不思議な建物があるんです。
真ん中に空洞になってるビルがありますが、これ実は、NECという日本のIT関係の大御所の会社があるんですね。
NECの向かい側に、ローラスインターナショナルスクールという学校があります。
そこの面白いところは、下に日本の、芝国際中学校・高等学校というのができて、テナントとして入ったんですね。
つまり、インターナショナルスクールと普通の日本の中高が、一緒に1つの建物に入った、ということです。
屋上は、グラウンドになってます。
グラウンドにネットが貼ってあるので、ボールとかで遊んでも全然安心です。
インターナショナルスクールと再開発というのは、実は町づくりにも関係します。
あとは学校が建物を立て直すときに、学校がインターナショナルスクールとコラボするという事例が、このようなローラスさんと芝国際さんであります。
で、この芝国際さんの近くで言いますと… 名前が1番長い名称の山手線の駅ってご存知ですか。
市ノ川:
高輪ゲートウェイ?
高輪ゲートウェイの東京インターナショナルスクール
村田:
そう、高輪ゲートウェイができたんですけど、その一帯で実は、再開発が進んでます。
で、そこに東京インターナショナルスクールの一部が移転するんですね。
市ノ川:
あ、そうなんですね
村田:
今港区の麻布にあるんですけど、そこから高輪の方に新しく校舎を作るということです。
リニアモーターカーの予定駅、また新幹線停車駅である品川駅が近くて、便利な土地なんです。
海外の方が日本に来て、ゲートウェイに本社を置くと、またそこにレジデンスができる。するとそこに住んで、子どもは近くのインターに通わせる。
お父さんが出張の時は、リニアモーターカーでパッと大阪に行けたりとかします。
また、羽田空港にも近いので、陸空でアクセスが便利な高輪ゲートウェイに、再開発でインターナショナルスクールを入れようという動きが出ています。
江戸川・江東区エリア
村田:
都心部を追ってみましたが、例えば東京都内でも、 江戸川区、江東区ってインターナショナルスクールが増えてるんです。どうしてでしょう?
市ノ川:
江戸川区って何駅とかですかね?
村田:
葛西とかですね。葛西っていうと、何人街という、外国人の方が住んでらっしゃるんですね。
市ノ川:
葛西…カレー屋さんが多い地域だったっけ…インド?ネパール?
村田:
そうなんです。江東区と江戸川区って、荒川など川をガンジス川と見立てて、インド人の方が住んでるんですね。
彼らにとっては川というのは聖なるもので、心の拠り所なんです。それに、あそこの地域から都心部へ、電車が近くて便利なんですね。
IT系インド人材
村田:
特にIT系の人たちがかなり住んでいて、世界的なグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールというところがあります。
そして、ここは校舎が増えるんです。最初に取材に行った時には、キャンパス2個だったんです。
「ミスター村田、ここでやってます」と言ってて。その後行ったら「ミスタームラタ、新しいキャンパスができました。3つに増えたんですよ」と。
また翌年に聞いたら「ミスタームラタ、4つに増えました」と…毎年、1つずつ増えるんです(笑)。
番長皿屋敷という怪談がありますけど、インドの方は人口が増えるんで、どんどん校舎が増えるんです。新たな校舎屋敷みたいな話ですね(笑)。
新幹線輸出プロジェクトの影響
村田:
同時に、ここに住んでいるインド人でいうと、IT系の方以外にもう一つありまして…日本の新幹線って、実は海外に輸出してるの、ご存知ですか
ムンバイを中心に新幹線ができるのですが、そこの新幹線を、実はJRが輸出プロジェクトで獲得したんですね
そうすると、運転手さんとか、保守、メンテナンスとか、そういう新幹線回りの人材の研修も行われます。
そういう方が、JRの研修センターに行くために、江戸川区に住んでいます。未来のインド新幹線の人材も、江戸川区や江東区で育っているんです。
なのでインターナショナルスクールに通ってる生徒の親御さんは、新幹線の人もあれば、IT関係の方もいらっしゃるんです。
理数に強いインドのインター
市ノ川:
学校でやる授業も、そういうIT系の授業が多かったりするんですか。
村田:
そうなんです。よくぞ聞いてくれました。
実はインド人の方って、GAFAMなどIT系大企業の、CEOや最高責任者をやってるような人材をたくさん輩出してるんです。
つまり、理数系の人材をとてもよく育ててるんですね。で、その特徴の1つが数学です。インド式算数、インド式暗算ってご存知ですか。
市ノ川:
あー、なんか、snsとかで見たような。
村田:
1000×1000…みたいな難しい計算を、すっとそらんじます。日本人が九九を暗記するのとは違って、計算する前の数の分析から学んでいるんですね。
インド人は、ゼロを発明した文明なだけあって、数学的な、哲学的思考が強いんですね。なのでそういう、数学能力が高いインターナショナルスクールも増えています。
また、インド人は自分たちで算数の学習を、メソッドとして開発していたりとかします。あとは、幼稚園から、ipadも使っています。
アプリで算数のゲームがあるのですが、それをプレイすると、計算ができるようになったりとか、そういった ITを取り込んだ学びも、インド系のインターナショナルスクールでは増えています。
市ノ川:
なるほど、面白いですね。
都内様々に展開するインターナショナルスクールの模様
村田:
ざっと、都心部の再開発の例、日本の中高とインターに場所が重なる例と、下町のインド系インターの例、大学の移転で空いた地に入る例など挙げてみました。
市ノ川:
ありがとうございます
村田:
じゃあ、これから渋谷の再開発も含めて、再開発=インターナショナルスクールがどこかにできるんじゃないかって、ちょっと頭の隅に入れてもらえれば。
市ノ川:
そうですね。
村田:
次はひょっとしたら東京駅周辺のあの再開発にも、インターナショナルスクールが入るかもしれないですね。
市ノ川:
そうすると、またなんかちょっと違ってきますね、見え方というか。
村田:
次回以降は、実際に取材に行ったりとか、先生呼んでお話を伺うとか、できそうですね。
市ノ川:
そういうこともできるんですね。
村田:
あと食事も行きたくありませんか?インターの学食。
市ノ川:
やりたさしかないですね!それは。
村田:
突撃!隣の晩御飯くらいまでやっちゃいましょう。では次回はこれで(笑)。また、よろしくお願いします。
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