インターナショナルスクールと一条校の小学校はどちらに通わせるべき?違いや学費を解説

グローバル化が進むにつれ、国内のインターナショナルスクールの需要が高まっています。お子様の進学先の一つとして、インターナショナルスクールを検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、インターナショナルスクールは、日本の小学校とは学習環境やシステムが全く異なります。お子様の将来に関わることだからこそ、インターナショナルスクールについてしっかりと理解しておくことが大切です。

そこで本記事では、インターナショナルスクールと小学校の概要や違いを詳しくご紹介します。どちらの学校へお子様を入学させるか迷っているなら、ぜひ参考にしてみてください。

目次

インターナショナルスクールとは

インターナショナルスクールとは、日本に在住している英語が母国語の児童を対象にした教育を行う施設です。

日本在住外国籍の子どもに向けた学校であるため、一般的に授業は英語で行われます。

主な形態は、幼稚園・小学校・中学校・高校までの一貫校。小学校へ入学する前に通う「インターナショナルプリスクール」もあります。

日本国籍の生徒を受け付けていないスクールもありますが、現在は日本国籍でも入学できるスクールが増えてきています。

インターナショナルスクールと小学校の違い

インターナショナルスクールと小学校はどちらも教育施設ですが、この2つにはさまざまな違いがあります。こちらでは、インターナショナルスクールと小学校の違いについて解説していきます。

スクロールできます
インターナショナルスクール小学校
小学校卒業資格なしあり
授業内言語英語日本語
学費・その他費用150〜200万円ほど公立:約35万円私立:約160万円
生徒の国籍多国籍主に日本国籍
1クラスあたりの生徒数10〜20人30〜40人
施設の充実度充実している公立:さほど充実していない私立:充実しているところが多い

小学校卒業資格

インターナショナルスクールと小学校の大きな違いとして、小学校卒業資格の有無が挙げられます。

ほとんどのインターナショナルスクールは、学校教育法に定められる義務教育を受けるための学校ではなく、「各種学校」または「無認可校」に分類されます。そのため、インターナショナルスクールにお子様を通わせても、小学校卒業資格を得られません。「日本の義務教育を修了した」とは認められないため、国内中学校への進学が難しくなるケースもあります。

ただし、一条校に該当するインターナショナルスクールもあります。

授業内言語

インターナショナルスクールと小学校は、授業で使用される言語が異なります。

日本の小学校の授業内言語は日本語ですが、インターナショナルスクールは英語で授業が進むのが特徴。

インターナショナルスクールは「英語を学ぶ」ための学校ではなく、「英語で学ぶ」ための教育施設なので、英語でコミュニケーションが取れないと入学は厳しいでしょう。

また、先生とのコミュニケーションや学校生活の案内なども全て英語で行われるため、両親のどちらかに英語力があることが求められます。流暢に英語を話せる必要はありませんが、日常会話をスムーズに行える程度の語学力は必要になるでしょう。

学費・その他費用

小学校の学費は、公立だと年間で平均約35万円ほど、私立の場合は約160万円ほどかかるとされています。

一方、インターナショナルスクールの学費は約150〜200万円が相場です。

インターナショナルスクールの場合、助成金や税制面などの金銭的な負担を軽減する制度がありません。そのため、小学校よりもインターナショナルスクールの方が金銭的な負担が大きくなります。

生徒の国籍

小学校とインターナショナルスクールの大きな違いとして、生徒の国籍も挙げられます。小学校は、生徒の大半が日本人でまれに外国籍の生徒がいるのが一般的。

一方、インターナショナルスクールは外国籍の子どものための教育機関であるため、外国人の生徒が比較的多いです。

場合によっては、1クラス内の日本人が1人だけということも珍しくありません。そのため、インターナショナルスクールではさまざまな国籍、人種の子どもと触れ合えるため、自然とグローバルな視点が養われていきます。

1クラスあたりの生徒数

小学校とインターナショナルスクールは、1クラスあたりの生徒数が大きく異なります。小学校は、1クラスあたり30〜40人程度の大人数なのが一般的です。

一方、インターナショナルスクールは少人数制を採用しており、1クラスあたり10〜20人程度なのが基本。先生が生徒一人ひとりに気を配れるため、手厚い教育が受けられるとされています。

設備の充実度

公立小学校か私立小学校かによって、設備の充実度は異なります。公立の場合はあまり設備が充実していませんが、学費が高めの私立だとある程度は充実しているケースが多いです。

一方、インターナショナルスクールは小学校よりも学費が高いこともあり、施設が充実しています。運動場や校舎が綺麗に整備されていたり、学校内にWi-Fiが完備されていたりと、インターナショナルスクールによって備わっている施設はさまざま。お子様を入学させる前に、その学校にどのような施設が整備されているか確認しておくと良いでしょう。

インターナショナルスクールの3つのメリット

インターナショナルスクールにお子様を通わせると、主に以下のようなメリットがあるとされています。

  • 海外進学がしやすい
  • 多様的な価値観を持てる
  • 子どもの主体性が高くなる

それぞれのメリットを詳しく解説していきます。

海外進学がしやすい

インターナショナルスクールは、海外進学に有利になるのが大きなメリットです。インターナショナルスクールでは、授業や日常生活での会話は英語で行われます。

日本語の授業以外では英語でコミュニケーションをとることになるため、常にネイティブな英語に触れられます。インターナショナルスクールで過ごすことで、正しい発音や英語の使い方、リスニング能力などの向上に期待できます。

加えて、インターナショナルスクールには海外進学をサポートする制度が整備されています。例えば、「国際バカロレア・ディプロマプログラム」を実施しているスクールでカリキュラムを履修・卒業すれば、海外大学への入学資格を得られます。海外進学をして国際的なキャリアを積みたいのであれば、インターナショナルスクールへの進学がおすすめです。

多様的な価値観を持てる

多様的な価値観を持てるというのも、インターナショナルスクールのメリットの一つです。小学校は日本国籍の生徒が大半なため、日本以外の文化にはなかなか触れられません。

一方、インターナショナルスクールには外国籍の子どもが多数集まります。日常的に世界のさまざまな文化と触れ合えるため、国際的な視野が広がり多様的な価値観を持てるでしょう。また、価値観を広げることは問題解決能力の向上にもつながります。

これからは多様性が重視される時代だといわれています。幼い頃からさまざまな国籍・人種が集まるインターナショナルスクールで過ごすことで、相手を尊重する心を持てるようになるでしょう。

子どもの主体性が高くなる

インターナショナルスクールに通わせることで、お子様の主体性が高くなるといわれています。小学校の授業は、先生の話を聞く受動的なスタイルが一般的です。

一方、インターナショナルスクールでは、生徒が自分で問題を見つけて解決する能力を育てる問題解決型学習や、アクティブラーニングの一つであるPBL型授業が行われています。

自分で考えて行動する授業が多く行われています。指示されたことをこなすだけでなく、決断して実際に行動へ移す姿勢が身につくため、世界的に活躍できる人材に育つ可能性が高いです。

インターナショナルスクールの2つのデメリット

インターナショナルスクールにはさまざまなメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。

  • 経済的・言語的な負担が多い
  • 国内学校への進学が難しい

それぞれを解説していくので、こちらにも目を通してみてください。

経済的・言語的な負担が多い

インターナショナルスクールのデメリットとして、経済的・言語的な負担が大きい点が挙げられます。

インターナショナルスクールは、年間約150〜200万円程度の高額な学費を支払う必要があります。学費以外にもバスの送迎代や行事で必要なものの購入費など、何かと出費がかさみがち。小学校に比べると経済的な負担が多くなるでしょう。

また、インターナショナルスクールでは先生や生徒とのコミュニケーションが全て英語で行われるため、お子様の言語的な負担もあります。「英語は習得できたけれど、日本語の力が十分育たない……」といった状況になる可能性も。低学年のうちは、お子様の勉強のサポートが必要になるでしょう。

国内学校への進学が難しい

大半のインターナショナルスクールは「各種学校」扱いなため、卒業しても義務教育の修了認定資格を得られません。そのため、国内学校への進学資格を得られず、進学先が限られてしまうのです。

「絶対に海外進学をする」と決まっているなら問題はないですが、そうでない場合はお子様の進路が狭まってしまう恐れがあるでしょう。

ただし、国内学校への進学資格を得られるインターナショナルスクールもあります。国内学校への進学を検討しているのなら、進学資格の有無を確認しておきましょう。また、最近は首都圏を中心に、インターの卒業生や帰国生を受け入れるインターコースを設けている学校も増加しているため、そういったスクールを選ぶのもおすすめです。

インターナショナルスクールの口コミ評判

ここからは、インターナショナルスクールに寄せられている口コミ・評判をご紹介します。

全寮制のインターナショナルスクール、授業料がとてつもなく高い!

その分優秀な人材が多いなと、インター出身の友人見ると思う。

自分が通えなくても、大学で友達になれると有益です。

優秀さの次元が違うので、考え方とか参考になります。

引用:Twitter

息子をインターナショナルスクールに2年行かせた結果

メリット

・英会話能力が圧倒的に上がった。

・先生のレベル(特に人間レベル)が高く、勉強以外の学びが多い。

・面白い職業の親御さんが多く私の刺激になる

デメリット

・地元の友達が少なく休日暇そう

・学費が私立の大学以上

引用:Twitter

英語を話すのは環境だな

4才の弟の子ども4月からインターナショナルスクールに通って幼稚園では英語のみで家でも(両親とも話せる)英語で会話してるらしいから数ヶ月しか経ってないけどペラペラ話せてる…

私との会話は日本語ですけど

引用:Twitter

インターナショナルスクールの口コミとして、「学費が高い」というものが多く見られました。学校によっては私立の大学以上の学費がかかるところもあります。

しかしその分、勉強以外の学びがあったり英語力が向上したりといったメリットを感じている方も多いようです。お子様を優秀な人材に育てたい方にとって、インターナショナルスクールは非常に恵まれた環境であるといえるでしょう。

インターナショナルスクールと小学校のどちらを通わせるべき?

インターナショナルスクールと小学校のどちらに通わせるか迷っている方も多いのではないでしょうか。そこでここからは、インターナショナルスクールと小学校、それぞれに向いているケースを解説していきます。

インターナショナルスクールが向いているケース

インターナショナルスクールが向いているのは、以下のようなケースです。

  • 日本の教育方針に不満を感じている
  • 充実した環境でのびのび成長してほしい
  • 何事にも挑戦するポジティブさがある

インターナショナルスクールでは、生徒が自分で考えて行動する受動的なスタイルの授業が行われています。さまざまな国籍・価値観の生徒が集まるため、一人ひとりの個性を大切にしてくれるのも特徴。日本の教育方針や環境に不満があるのなら、インターナショナルスクールが向いているでしょう。

また、インターナショナルスクールでは自分から他人とコミュニケーションをとる姿勢が求められます。どんなことにもまっすぐ挑戦できる前向きな性格のお子様なら、インターナショナルスクールで生き生きと学べるでしょう。

小学校が向いているケース

一方、小学校が向いているケースは以下の通りです。

  • 会話が苦手で馴染めない可能性が怖い
  • 経済力が心もとない
  • 日本国内の学校に進学させたい

インターナショナルスクールでは、自分から積極的に発言・行動しなくてはいけません。そのため、会話が苦手で周りと馴染むのが不得意なお子様は、小学校の方が向いているでしょう。

また、インターナショナルスクールは年間数百万円の学費がかかります。経済力が心もとないのであれば、公立の小学校にお子様を通わせることをおすすめします。

インターナショナルスクールに通わせるか決められない場合

インターナショナルスクールに通わせるべきか決められない場合は、以下の基準を参考にしてみてください。

  • 海外の大学に進学するか
  • 保護者が英語を話せるか
  • 経済面に問題はないか
  • 高校卒業までインターナショナルスクールに通わせ続けられるか

どれか一つでも当てはまらないと感じた場合は、インターナショナルスクールではなく通常の小学校が向いています。

インターナショナルスクールの小学校に関するよくある質問【Q&A】

ここからは、インターナショナルスクールに関するよくある質問をご紹介していきます。

インターナショナルスクールの小学校は何歳から入学できますか?

インターナショナルスクールでは、満6歳から小学校1年生とされることが多いです。満6歳から小学生向けのカリキュラムが始まるため、余裕を持って入学準備を始めましょう。

インターナショナルスクールの小学校は誰でも入学できますか?

インターナショナルスクールには誰でも入学できるわけではありません。

保護者や生徒の英語力、海外在住歴などの条件を満たした場合のみ、入学が認められることが多いです。インターナショナルスクールによって入学条件が異なるため、前もって確認しておくと安心です。

インターナショナルスクールの生徒に日本人はいますか?

インターナショナルの生徒に日本人がいるかどうかは、その年の入学状況によって大きく異なります。

日本人が1人もいないケースもあれば、クラスの7割が日本人だったケースも。日本人を多く受け入れているスクールだと、クラス内の日本人の割合が高くなりやすいです。

まとめ

インターナショナルスクールとは、外国籍の子どもを対象にした教育施設です。授業が英語で行われたり年間150〜200万円ほどの学費がかかったりと、通常の小学校とはさまざまな違いがあるのが特徴。

お子様の英語力向上や多様的な価値観形成といったメリットがある一方、経済的・言語的な負担が大きいなどのデメリットもあります。

本記事で紹介したインターナショナルスクールと小学校の違いやそれぞれの特徴を参考に、お子様をどちらに通わせるか検討してみてください。

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