北アルプスの壮大な自然の中にあり、冬にはスキーやスノーボードを楽しむ人で賑わう長野県白馬村に開校した「白馬インターナショナルスクール」。
ほかのインターナショナルスクールとの違いや学費など、気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、白馬インターナショナルスクールについて詳しく解説します。お子様の進学先の候補に入れるか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
※2023年7月時点の情報になります。
白馬インターナショナルスクールとは
白馬インターナショナルスクールは、2022年8月に開校した新しい学校です。
基本情報は以下の通りです。
住所 | 長野県北安曇郡白馬村北城11290−1 |
公式サイト | https://www.hakuba-is.jp/ |
メールアドレス | info@hakuba-is.jp |
評価認定 | ー |
対象学年 | 中学1年生〜高校3年生(years7〜12) |
白馬インターナショナルスクールの3つの特徴
白馬インターナショナルスクールには、以下の3つの特徴があります。
・寮制で共同生活を送る
・サステナビリティ教育を実践している
・PBL・SEL・野外学習が教育の軸となっている
それぞれについて解説していきます。
寮制で共同生活を送る
白馬インターナショナルスクールは、中高一貫のボーディングスクールです。
ボーディングスクールとは寮制の学校のことを指し、生徒は男子寮・女子寮に分かれて共同生活を送ります。
他者と寝食を共にすることで、生徒は協調性・自立心・責任感などのライフスキルを学ぶことができます。
寮にはトレーニングルームや学習スペースが設けられており、備え付けの業務用キッチンでは、シェフが地元の食材を使って生徒の食事を作ります。
サステナビリティ教育を実践している
白馬インターナショナルスクールでは、「サステナビリティ教育」を実践しています。
サステナビリティ教育とは、気候変動・生物多様性の喪失・資源の枯渇・貧困の拡大などの社会問題を自分事として捉え、持続可能な社会を実現させる意識を持った人間を育成する活動のことです。
生徒は白馬村での生活の中で、現地の動植物や水の流れなどについて学び、自然の大切さを知ることで、環境に配慮する意識を身につけます。
PBL・SEL・野外学習が教育の軸となっている
白馬インターナショナルスクールの教育は、以下の3つの柱から成り立っています。
PBL(プロジェクトベース学習) | 生徒が自ら課題を見つけ、その課題を解決するまでの過程で知識を得ていく学習方法。チームやグループのメンバーと解決策を出し合いながら進行する過程からも、知識の向上が見込める。 |
SEL(社会的・感情的学習) | 「自己認識」「自己管理」「社会的認識」「人間関係スキル」「責任ある意思決定」の5つの要素を育むことを目指す教育理念。生徒は感情や思い込みなどの精神面や、他者との関係をどのように管理するかを学ぶことで、精神が安定し将来の成功につなげることができる。 |
野外学習 | 森・山・川の探検やスキー、キャンプなど、自然を感じられるアウトドア活動の機会を多く設けている。それにより身体の健康・自然環境に配慮する心・生態系の知識など、座学では得られないさまざまな恩恵を受けることができる。 |
白馬インターナショナルスクールの教育課程
白馬インターナショナルスクールは6年間の中高一貫校ですが、日本の学校とはカリキュラムが異なります。
中等部3年間・高等部3年間で学習プログラムが分かれるのではなく、最初の4年間はサステナビリティ教育を意識したPBL・SELで学びを深め、残りの2年間は大学進学を見据えて国際バカロレア(IB)のディプロマ・プログラムに沿った学習を行います。
国際バカロレア(IB)とは、スイスの国際バカロレア機構による世界的な学習プログラムです。
なかでもディプロマは世界で通用する高校卒業認定資格を取得できるだけでなく、その資格試験で基準以上のスコアをとることで、国内外の大学の入学試験を有利にすることができます。
元々は海外の大学への進学を考える人向けの資格でしたが、近年は日本でもIB資格を入学試験に取り入れる大学が増えています。
白馬インターナショナルスクールは、国際バカロレアの指導校としての認定を目指しています(2023年7月現在)。
白馬インターナショナルスクールの学費
白馬インターナショナルスクールの2023-24学年度の学費は以下の通りです。
入学時にかかる費用
費用 | |
申請料 | 25,000円 |
登録料 | 300,000円 |
年間授業料
費用 | |
中等部授業料 | 3,000,000円 |
高等部授業料 | 3,420,000円 |
寮費 | 1,560,000円 |
メンテナンス・設備費 | 400,000円 |
白馬インターナショナルスクールが向いているケース
白馬インターナショナルスクールは、以下4点の方針でお子様を育てたいと考えているご家庭におすすめです。
・自然豊かな環境でサステナビリティ教育を受けさせたい
・全寮制の学校で自立心を育み、感情のコントロールなど精神面の教育についても任せられる学校がよい
・従来の教育とは反対の、課題探究型の学習プログラムを受けさせたい
・グローバル社会で活躍できるよう、英語や国際文化に触れながら学ばせたい
白馬インターナショナルスクールの受験内容
白馬インターナショナルスクールへ入学するための、
・試験内容
・出願条件
・入学までの流れ
の3点についてまとめました。
試験内容
英語が母国語ではない生徒には、英語力を測定する筆記試験があります。
また、親子で参加するポップアップスクール(短時間の体験入学)での評価や、面接も試験の中に含まれています。
出願条件
2023〜2024年は、7〜9年生(中等部1〜3年生)の生徒を募集しています。
7〜8年生の場合、中級レベル以上の英語力のある子どもが優先されますが、英語が流暢に話せない子でも入学は可能です。しかし、9 年生の受験者は、少なくとも中級レベルの英語力が必要とされています。
その他の出願条件は特になく、入学資格を有する年齢の子どもは出願できます。
入学までの流れ
問い合わせから入学までは、下記の流れで進んでいきます。
1.問い合わせて説明会に参加する
2.ポップアップスクールに参加する
3.書類審査
4.面接・筆記試験
5.合否判定・入学
2022年に行われた入学試験のスケジュールによると、説明会は夏の時期に開催され、試験の合否は12月頃に発表されたようです。
白馬インターナショナルスクールに関するよくある質問【Q&A】
ここでは、白馬インターナショナルスクールに関連したよくある質問4つについて解説します。
・白馬インターナショナルスクールは誰でも入学できますか?
・白馬インターナショナルスクールは奨学金制度がありますか?
・英語が話せなくても白馬インターナショナルスクールに入学させていいですか?
・白馬インターナショナルスクールはサマースクールを実施していますか?
順番に見ていきましょう。
白馬インターナショナルスクールは誰でも入学できますか?
白馬インターナショナルスクールでは、出願条件は特に設けていないものの、学校と生徒の適合性を確認する入学試験があるため、入学に適さないと判断されてしまうと入学はできません。
また9年生の受験者には中級レベルの英語力が求められます。
白馬インターナショナルスクールには奨学金制度がありますか?
白馬インターナショナルスクールは奨学金制度を設けています。
ふるさと納税や公募により集まった寄付金を原資として運用しています。
英語が話せなくても白馬インターナショナルスクールに入学させていいですか?
7〜8年生の受験者なら英語が話せなくとも入学が可能です。
白馬インターナショナルスクールでは、主に英語を使用してコミュニケーションを取るため、語学スキルが不足している生徒は、入学後にEAL(英語の補修授業)を受けて英語力を伸ばします。
9 年生の受験者は、少なくとも中級レベルの英語力が必要です。
白馬インターナショナルスクールはサマースクールを実施していますか?
白馬インターナショナルスクールでは、毎年夏にサマープログラムを開催します。
生徒たちはサステナビリティを意識した学習プログラムに加え、壮大な自然の中でさまざまなアクティビティに取り組みます。
2023年は、6〜7月の間に6日間のスクールを計4回実施し、そのうち3回は英語、最後の1回は日本語/ 英語の2言語で行われました。料金は3食付で1セッション200,000円でした。
まとめ
白馬インターナショナルスクールは、2022年8月に白馬村の大自然の中に開校した、寮制の中高一貫校です。
環境の持続可能性などの社会問題について、当事者意識を持つためのサステナビリティ教育を導入しています。
課題を見つけて探究していくPBL(プロジェクトベース学習)、人間関係の構築や感情のコントロールなどの精神面を育成するSEL(社会的・感情的学習)、大自然の中で日常的に行う野外学習など、従来の学校では得られない学習内容や体験が魅力です。
また、6年間のうち最後の2年間は、国際バカロレアのディプロマ・プログラムに沿った、ハイレベルな指導を行う予定です。
英語力を伸ばせて、大学進学にも備えられるなど、たくさんのメリットがある学校といえるでしょう。
寮費も含めて多額の学費がかかるため、継続して支払えるかどうかを確認したうえで、入学についてお子様と話し合ってみてはいかがでしょうか。
コメント