イギリスのボーディングスクールとは?メリットやおすすめスクールなどを紹介

イギリスのボーディングスクールにお子様を留学させてみたいと興味を持っている方もいるのではないでしょうか?

近年、日本にボーディングスクールの系列校が開校していることもあり、国際教育に関心を持つご家庭の間で、ボーディングスクールが注目を集めています。

そこで、こちらの記事ではイギリスのボーディングスクールについて紹介します。

※2023年8月時点での情報です。

目次

イギリスのボーディングスクールとは

イギリスのボーディングスクールとは、18歳(日本の高校3年次)までの生徒が勉強を学びながら寮(寄宿舎)生活をする形態の学校のことです。

寮生はボーダーと呼ばれ、寄宿生活を意味するボーディングで生活を送ることから、ボーディングスクールと呼ばれています。

ボーディングスクールは、イギリスで15世紀ごろ発祥したと言われており、当時の英国上流階級の子どもたちは8歳から寮生活を始めるのが基本だったようです。

設備や授業、生徒のケアなどに関して、英国政府が定める厳しい基準を満たしたスクールのみがボーディングスクールと呼ばれています。

GCSE、A-Level、国際バカロレア(IB)、スコットランドのスタンダート・グレードおよびハイヤーなど、国際的に認められている資格の勉強ができます。

イギリス全土に公立・私立合わせて約520校のボーディング・スクールがあり、2020年には世界中から集まった約24,000人の留学生が学んでいます。

男子校や女子校もありますが、ほとんどのボーディングスクールは男女共学で、寮は男女別になっています。

イギリスのボーディングスクールの種類

イギリスのボーディングスクールには、私立と公立の2種類があります。それぞれの特徴を順番に解説していきます。

私立のボーディングスクール

私立のボーディングスクールは約480校あり、さまざまな国籍の生徒が学んでいます。

プライベートまたはパブリックボーディングスクールとも呼ばれています。授業料と寮費がかかり、ほとんどのスクールは非営利なので、利益はスクールに還元されます。

公立よりも私立のボーディングスクールの方が圧倒的に数が多く、公立のスクールよりも少人数制の傾向があります


イギリスで有名な私立ボーディングスクールは、イートン校やハロウ校です。

公立のボーディングスクール

公立のボーディングスクールは約40校あり、イギリス人とEEA(欧州経済地域)からの生徒を受け入れています。

授業料は国が負担するので無償ですが、寮費はかかります。

公立のボーディングスクールも私立と同様に高い教育水準を保っています。

ただし、保護者の仕事などの都合で渡英した場合は公立校に通学が可能となりますが、公立校に通うことで学生ビザの申請はできません。

イギリスのボーディングスクールを選ぶ5つのメリット

イギリスのボーディングスクールを選ぶ5つのメリットを紹介します。

・世界レベルの教育を受けられる
・さまざまな異文化交流ができる
・実践的な英語力が身に付く
・生活スキルやマナーが身に付く
・世界中に人脈ができる

世界レベルの教育を受けられる

イギリスのボーディングスクールには長い歴史があります。

質の高い授業とサポートが提供されていて、世界に通用する教育を受けられます。

これまで優秀な生徒を輩出しており、卒業生のほとんどがイギリスのエリート校へ進学しているため、イギリスの資格は世界中の大学で認められているといえるでしょう。

イギリスでは、自由な発想を促し可能性を最大限に伸ばすことを目的とした教育を行っています。

様々な異文化交流ができる

イギリスのボーディングスクールでは、世界中から集まる留学生がイングランド、北アイルランド、スコットランド、ウェールズ出身の生徒と一緒に学んでいます。

多国籍の生徒が一緒に学ぶことで、さまざまな異文化交流ができます。

語学力のアップと他文化への理解につながり、多様性が身に付きます。

多様性が求められる現代社会では大きな武器になるでしょう。

実践的な英語力が身に付く

イギリスのボーディングスクールでは、最初は英語が話せない子どもも英語でコミュニケーションを取れるようになり、イギリス式の発音を身に付けています。

語学学習は、年齢が低いほど習得しやすい傾向があります。

ボーディングスクールでは授業を少人数制で行い、希望者には英語の補習授業を行っているため、安心です。

生活スキルやマナーが身に付く

寮には使いやすいキッチンやランドリースペースが設けられ、身の回りのことを自分で行うようになっていきます。

生徒同士が共同生活を行う中で社会性が広がり、また生活スキルやマナーが身に付き、規則正しい生活を行うようになります。

世界中に人脈ができる

イギリスのボーディングスクールで学ぶことで、世界中から集まる生徒と交流し他文化の理解につながります。

さまざまな信仰、国籍、文化的背景を持つ生徒同士が仲間になり、グローバルな感覚を身に付けることは、将来のキャリアに向けた基礎につながります。

ボーディングスクールの卒業生は、ほとんどがエリート大学に進学することから世界の中枢で活躍する人材となります。

そのため、将来の世界的に強力な人脈ができるといえるでしょう。

イギリスのボーディングスクールを選ぶ3つのデメリット

イギリスのボーディングスクールを選ぶ3つのデメリットについて紹介します。

・学費が高い
・入学時に高い英語力を求められる
・気軽に帰国しにくい

学費が高い

学費(年間)
イギリスのボーディングスクール(中高生)約540万~720万円
日本のインターナショナルスクール(高校生)約200万~250万円
日本の公立校(高校生)約50万円

上記でも分かるように、イギリスのボーディングスクールの学費は高く、気軽に入学することは難しいでしょう。

しかし、日本の学校とは全く規模が違い、子どもの将来に向けて得られるものも大きいといえます。

入学時に高い英語力を求められる

イギリスのボーディングスクールでは、授業についていけるように入学時に高い英語力を求められます。

特に進学校の高等部に入学するには、IELTS(海外留学に必要な英語力を証明するための試験)のスコアの提示が必要となります。

幼いころからお子様をインターナショナルスクールに通わせるなど、留学に向けての準備も必要となります。

気軽に帰国しにくい

イギリスのボーディングスクールは、学期中に授業を集中して行い、夏休みなどの長期休暇を長くとる傾向にあるようです。

イギリスは日本から遠く、また全寮制であるため家族に会いたくても簡単には会えないという心構えが必要となります。

とはいえ、長期休暇中には寮に残ることができないので帰国することができます。

交通費はかかりますが、長期休暇は各学期ごとに2回、年間6回あります。

イギリスのボーディングスクールの受験内容

イギリスでは、5歳~16歳が義務教育となります。

日本でいう小学校は、プライマリースクールと呼ばれ5歳~11歳が7年間通い、日本の中学に相当するセカンダリースクールに11歳~16歳が通います。

セカンダリースクール修了時に、GCSE(全国統一学力試験にあたる国家試験)と呼ばれる試験を受験し、その結果がその先の進路に大きく影響します。

イギリスでは、義務教育を終えたあとに大学進学を希望する生徒は、Further educationと呼ばれるカレッジやシックス・フォームと呼ばれる2年間の大学進学希望者のための学習課程を受けます。


この課程は日本でいう高校に当たります。

そして、修了時に A-Levelや国際バカロレア(IB)と呼ばれるテストの結果をもとに進学先の大学を決めることになります。

それでは、イギリスの受験内容について紹介します。

入学条件・試験

イギリスのボーディングスクールでは、18歳までの入学を希望する生徒に各スクールで入学条件を設定しています。

シックス・フォーム(大学進学希望者のための2年間の学習課程)への入学を希望する場合、GCSE、IGCSE(GCSEの国際的な試験に相当)の成績の提出が必要となります。

日本から入学希望の場合は、各校ごとに入学規定の確認が必要となります。

ボーディングスクールの多くは、入学試験を実施しています。

生徒と保護者の面接を行っているスクールもあります。

面接があるスクールは、試験との相対評価を行っています。

英語力については、さまざまなレベルの生徒を受け入れ、スクールによってはシックス・フォームの前に準備英語コースを用意しています。

そのため、入学前の英語力は必須となります。

入学までの流れ

ボーディングスクール入学までの流れを紹介します。

1.入学希望のスクールを選ぶ
2.出願書類を提出する
3.スクール見学
4.筆記試験・対面または電話などでの面接
5.合格発表
6.学費納入、ビザなどの準備

出願書類には、一般的に入学願書、成績証明書、推薦状などが必要となります。

詳細は各スクールに問い合わせてください。

また、必要な英語力についてもスクールによって違いますが、一般的には中学生であれば英検2級〜準1級程度、高校生では英検準1級以上と考えた方がいいでしょう。

イギリスのボーディングスクールのクチコミ評判

イギリスのボーディングスクールのクチコミを紹介します。

・「世界の縮図」と呼ばれるほど多様性にあふれる場所
・イギリスのボーディングスクールだからこそできる経験があり、出会える人がいる
・多文化生活で多様な人との関わりに慣れ、海外進学への不安が軽くなることも魅力の1つ

イギリスのボーディングスクールが向いているケース

イギリスのボーディングスクールが向いているケースとして、子どもに実践的な英語を身に付けさせたい、世界レベルの教育を受けさせたい、グローバルな感覚を養い将来は海外進出を視野に入れさせたい、学費の捻出が可能とといったご家庭には向いています。

イギリスのおすすめボーディングスクール3選

イギリスのおすすめボーディングスクール3選を紹介します。

・バインホール・スクール
・セントエドワードスクール
・ロードワンズワース・カレッジ

ヴァインホール・スクール

住所MountfieldRobertsbridgeEast SussexTN32 5JL
電話番号+44 01580-880413
メールアドレスoffice@vinehallschool.com
評価認定ISI IAPS
学費(年間)幼稚部  スクールへお問い合わせ下さい。初等部/中等部 年間約540万円~720万円(保証料などの諸費含む)

登録料およそ28万円、教材費、課外授業など別途費用が発生します。

ヴァインホール・スクールは、2歳から13歳までの子供たちを対象とし「他者の利益のために最善を尽くす」をモットーとしたキリスト教のボーディングスクールです。

全ての子どもの学習習慣と個人の価値観を育てるカリキュラムにより、生徒が可能性を最大限発揮できるようサポートしています。

スクールには、劇場・体育館・スポーツホール・屋内スイミングプール・ゴルフコースなどが併設されています。

寮では、安全で思いやりのある環境で子どもの自立を促し、毎週水曜日の夜には映画を上映し、ポップコーンとホットチョコレートがふるまわれています。

セントエドワードスクール

住所Woodstock RdOxford, OX2 7NN
電話番号+44 01865-319-204
メールアドレスregistrar@stedwardsoxford.org
評価認定IB A-Level 
学費(年間)約540万円~約720万円(保証料などの諸費含む)   

登録料約3万円、選択するカリキュラムにより追加料金が発生します。

セントエドワードスクールは、A-LevelとIBの両方の認定資格を与えています。

セントエドワードスクールは、キリスト教の教えにより、自分自身へとお互いに対する誠実さ、他者への思いやりを示す優しさ(愛の価値)、試練の中でも忠実であることを価値観の基礎としています。

寮が13カ所あり、それぞれ65人程度の生徒が生活をしています。

チャペルで定期的な礼拝が行われ、聖歌隊が聖歌を歌い、生徒は聖書を朗読します。

ミュージカルやバレエリサイタル、ダンスショー、バンドの大会など多くのイベントが用意されています。

ロードワンズワース・カレッジ

住所Long Sutton Hook Hampshire RG29 1TA
電話番号+44 01256-862201
メールアドレスinfo@lordwandsworth.org
評価認定A-Level 
学費(年間)約540万円~720万円(保証料などの諸費含む)

登録料およそ50,000円、選択科目や教材費など、別途費用がかかります。

ノースハンプシャー州の田園地帯にある11歳から18歳までのボーディングスクールで、2028年に創立100年を迎えます。

カリキュラムは、態度・アプローチ・ルーチン・習慣という4つの原則によって組まれていて、生徒が学習に対して情熱を持ち、発展させることを目指しています。

心構えは、今の学力よりも2年先へ進むこと。

そして、生徒に自分の思考が行動に影響し、行動が習慣に、習慣が性格に影響し、最終的には性格がその人の運命を決定するということを教えています。


生徒やその家族に、性格は生まれつきのものではなく、ポジティブな経験から生まれる、運命を形作るのは、その人の性格と応用力だということを伝えています。

2019年にウェルビーイングとメンタルヘルスイニシアチブ賞という賞を受賞し、寮はイギリスの寄宿学校協会から認められています。

イギリスのボーディングスクールに関するよくある質問【Q&A】

イギリスのボーディングスクールに関するよくある質問について回答します。

・イギリスのボーディングスクールの学費はいくら程度ですか?
・イギリスのボーディングスクールは何歳から寮滞在ができるようになりますか?
・イギリスのボーディングスクールは複数出願できますか?

イギリスのボーディングスクールの学費はいくら程度ですか?

ボーディングスクールにもよりますが、中高生の学費で年間約540万〜720万円となります。高いスクールは、1,000万円前後とも言われています。

イギリスのボーディングスクールは何歳から寮滞在ができるようになりますか?

イギリスのボーディングスクールのほとんどは、8歳から寮に入れます。一部のスクールでは、7歳から入学が可能です。

イギリスのボーディングスクールは複数出願できますか?

一度に複数のボーディングスクールに出願することは可能です。

ただし、イギリスのボーディングスクールでは、各スクールで独自の入学条件や規制、出願方法や期限があります。

また、特にシックス・フォームは人気が高く、入学の3年前位に出願する方がいい可能性があります。

遅くとも1年前には出願を済ませておくことをおすすめします。詳しくは、各スクールにお問い合わせください。

まとめ

イギリスのボーディングスクールについて紹介しました。

イギリスは、日本の教育とは大きく違い、中学を卒業する年齢で国家資格に当たるGCSEを受け、それにより進学に大きく影響がでます。

また、寮制のボーディングスクールでは子どもの自立を促し、自主性を育てています。

ボーディングスクールは、日本の学校の学費に比べて高くなりますが、その分子どもに与える影響はかなり大きいものといえます。

グローバルな感覚を養い、世界的な人脈が広がり、確実に将来のキャリアにつながるでしょう。

ボーディングスクールの多くは、オープンデイという見学会を実施しています。

日本にいながら見学したい場合は、オンラインでの見学も可能なスクールもあります。

実際にスクールの雰囲気を知ることは大切です。見学を希望される方は、スクールに確認してください。

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